C# 参考書

昔-Windows以前の世界では-FortranやCを使っていて、
オモチャっぽいBasicは好きではありませんでした。

WindowsでVBが発売されたとき、
統合開発環境=IDEの充実した言語としては他にVC++しかありません。
VC++のフレームワークはあまりにゴチャゴチャしていて、
予想どおり大多数の人はVC++を使って来ませんでした。

私もVC++はあまり使わず、結局長い間VBを使ってきました。
VBの教科書としてはBalenaの翻訳本がとてもいいと思います。
BalenaがVB.NETに書き換えたとき躊躇せず購入しましたし、
VB2005の解説書も購入しました。
私は完全にBalenaを信頼しています。

今回本格的にC#の勉強をしようと参考書を物色しましたが、
日本語の「いい教科書がない」と痛感しました。
書店には「・・・入門」はたくさんありますが、中級以上の本がない。

私はよく思います。
「なぜ日本語のいい教科書がないのだろう」と。
理由は色々あると思いますが、一つは投資対効果でしょう。
一冊の本をしっかり書くことは大変な労力を必要としますが、
数年でバージョンが変わるソフトを追いかけて、
大して売れもしないうちに次々教科書を出版するのは採算に合わないのでしょう。

英語圏であればそれなりの購買層があるが、
日本語に特化すると商売にならないのでしょう。
結局私たちは中級以上の本は賞味期限を過ぎた翻訳本か、
それが嫌なら原書を読むしかありません。

ついでですが、「調べる」にはオンラインヘルプはいいが、
「勉強」には本の方が数段勝ると思います。

今回C#のプログラムを書くにあたって、いい教科書に出会えません。
[プログラミング VIsual C# 2005]はもはや話題が古くLINQ等の記述がありません。
[Pro C# 2010 and the .NET 4 Platfrom](Apress)は1600ページ以上あって、
英語ですから拾読みするには適当ではありません。通読する時間などありません。
[C# 4.0 In a nutshell](O’Reilly)がリファレンスとしては一番いいかもしれません。

出版社に提案があります(出版社がこのブログを読んでいるとは思いません。独り言です)。
日本語の[・・・入門]はやめて、英語の定評のある参考書の翻訳本を素早く出版していただきたい。
これは出版社に対してのお願いというよりマイクロソフトへのお願いです。
マイクロソフトは[Microsoft Press]だけでなく、
他社の書籍に対してもいい翻訳本を迅速に出す工夫をしていただきたいと思います。

いい教科書があるかどうかは、その言語が広く使われるかどうに大きく影響します。

このような状態では、英語に弱い日本のソフト技術者は、最前線からどんどん追いやられてしまいます。

インドや中国の技術者の進出を見れば、彼らの勢いを肌で感じるでしょう。
ソフトにかかわる人は、「彼らを使えば安く開発できる」とのんきなことをいっている場合ではないでしょう。
ソフトウェア技術者も英語の技術書を「読む」くらいは身につけなければいけません。

大学の教養科目の英語で「文学書」の一節を勉強するなど間違っています(私の学生時代)。
大学生になればそれぞれに教養として専門書が読めるようにすべきです。
専門書はそもそも文学書と違って「凝った」表現はないのです。
自分の専門分野に限れば単語も数多くあるわけではありません。
ある種「慣れ」で、母国語程度とはいきませんが、慣れればいくらでも読めるのです。

今の大学の教養授業は変わったのでしょうか。

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