黄文雄「中国・韓国が死んでも教えない近現代史」

台湾人黄文雄著「中国・韓国が死んでも教えない近現代史」の解題です。

恐らく私自身のフィルターがかかっていると思いますので、
興味ある方はご自身で読まれることをお勧めします。

まず一言でいえば、著者は中国と韓国が大嫌い、日本が大好きという好みの問題があります。
しかし、それにはそれ相応の理由があると思います。

「中国・韓国が嫌い」については次回語るとして、なぜ日本が好きか。

 

大航海時代後の帝国主義・西欧列強は、われ先にアフリカ・アジアを分割・植民地化し、東アジアへも食指を伸ばしていた。

19世紀、中国清王朝は、「われこそが世界中で一番偉大だ」との中華思想を堅持し、李朝・朝鮮もまた、数百年にわたって中国の属国に甘んじていながら、「朝鮮は中国の次に偉大だ」と信じていた。

英国は中国の弱体化に付け込んで、アヘン戦争(1840年)を仕掛け勝利する。
戦争に負けた中国は、多額の賠償金の支払に外国からの借り入れが必要なほどに窮乏する。

アメリカやフランスも中国の弱みに付け入り、中国各地に疎開地を強要、虎視眈眈と中国への侵攻を狙っていた。

ロシアもまた、長年の野望・満州からの南化を着々と進めていた。

日本は迫りくる帝国主義に危機感を持ち、明治維新を断行、政治構造を根本から変革し、懸命に近代化を進める。

弱体朝鮮半島は、西欧列強の餌食になり、その結果、日本にも危険がおよぶと考えた日本にとって、朝鮮の近代化はどうしても必要であった。

日本は鎖国政策をとっていた朝鮮に、開国と政治改革を求めたが成功しなかった。

ときあたかも、朝鮮に内乱が起こり、その平定を口実に日本および中国は朝鮮に出兵。
それを期に日清戦争(1894年)が勃発する。
日本にとっては幸いにも、この戦争に勝利し、清から勝ち取った賠償金をもとに、さらなる富国強兵に力を入れていく。

日清戦争の終結により朝鮮は中国から独立するが、依然として改革は進まず、遂に、日本は南下を強めるロシアとの全面戦争(1904年)に到る。

周知のとおり日本はロシアに勝利するが、日露戦争の勝利は、単に日本がロシアに勝利したというに止まらず、大航海後の世界史で類のない大きな意味を持っていた。
すなわち、これは白人に対する黄色人種の初めての反撃であり、一直線で進んでいた西欧列強による世界分割の変更であった。

黄色人種の勝利によって、アジアの国々は勇気づけられ、すくなくとも精神的には西欧の呪縛からの解放を確信した。
実際、大東亜戦争後にアジア諸国は次々に独立することになった。

日清戦争で中国から日本に割譲された台湾は、毒蛇と疫病にかこまれた未開の地であったが、日本は植民地としてではなく、日本の一部として、鉄道や道路等のインフラを整備し、法を整備し、教育に力をいれた。
まさに法治国家としての出発点を作った。

このとき尖閣列島も日本が中国から奪ったというのが中国の言い分だし、
尖閣列島を日本領にしたのは、台湾分譲とは関係ないというのが、日本の言い分です。

台湾人から見る日本人は、清潔さ、公正さ、勤勉さ、責任感、規律遵守、信頼、滅私奉公、の精神をもって台湾の近代化の礎を築いてくれた。

沢山の(特に戦前に育った)台湾人は、日本を恨むどころか、感謝している。

というのが著者の(私が整理した)日本論である。
主旨は外していないと思います。

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