「坂の上の雲」を読む 3

私は、明治以降の歴史を知らない。

一つには学校教育の問題である。高校では日本史も世界史も教わり、大学受験も確かに日本史と世界史で受験した。だけど近代の歴史を知らない。その原因の一つは学校ではこの部分は3学期の最後に教えることになり大急ぎで通過してしまうからだし、もう一つは学校教育があえて近代史を腫れ物に触るように扱ったからであろう。私は戦前の生まれで私の時代はそのようなものであったが、今も歴史教育はそうなのであろうか。

私にとって歴史とは、蘇我入鹿や聖徳太子であり、源平であり、戦国の時代であり徳川である。世界史でも同様である。私の世界史はエジプト文明であり、インダス文明であり、唐の時代であり、ギリジャ・ローマの歴史である。早い話、私にとっての歴史とは昔々の歴史物語である。

明治以降の日本の歴史もアラブやイスラエルの問題も詳細には知らない。近代史は血の匂いがし、特に日本のそれは陰惨な匂いがするために、近づきたくないという深層心理が私を近代歴史から遠ざてしまった。

だが本当はそれは間違っている。見たくないところを直視し、正しく判断し、次の世代に正しい考え方をつないでいかなければいけない筈だ。

それにしても司馬遼太郎のこの小説はすべて事実なのだろうか。

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