吉田拓郎

私が吉田拓郎を知ったのは、何年前だったのでしょうか。
名前だけは昔から知っていたと思います。

数年前にラジオを聞いて「いつもふざけた調子の男だな」と思いましたが、
妙に気になっていました。

彼が[襟裳岬]や[結婚しようよ]の作曲者であることは知っていましたが、
それ以外どんな曲があるのか知りませんでした。

どうしても気になって、数年前に彼の評判のCDをインターネットで調べて買ってみました。

「The Best Penny Lane」という2枚組のCDで、
1970-1999の次のような35曲が収録されています。

  • 今日までそして明日から
  • どうしてこんなに悲しんだろう
  • 旅の宿
  • 明日に向かって走れ

これを車に積んで結構よく聞いていましたが、
しばらく聞くていると嫌になります。
気分が憂鬱になります。

だから吉田拓郎が好きなのか嫌いなのかよくわかりません。

最近「18時開演」という4枚組のCDを買いました。
これは2009年のツアーを収録したものです。

このCDは演奏会のノーカットらしく吉田拓郎のMCも入っています。
こちらは、彼が歳をとってきてからの曲が多いと思いますが、
若者らしいギラギラしたものが少なく聞きやすい曲が収録されています。

MCは内容はどれも大変面白ものです。
ただしゃべりが滑らかではありません。

しゃべりたいことが次々脳裡に浮んで、
その割に滑舌がよくないので、話がぼつぼつになります。
実は私もこのようなしゃべり方なので妙に親しみを覚えます。

吉田拓郎には他にどんな曲があるのか、
YouTubeでものぞいてみました。

私は特別音楽に造詣が深いわけではありません。
詩にもまったく縁遠い人間です。

一リスナーとして吉田拓郎の(独善と偏見に満ちた)感想を書きたいと思います
(吉田拓郎および彼のファンは大きなお世話ということでしょうが)。

まず彼は作曲家としては秀逸だと思います。
いろいろな雰囲気の曲を書いていますが、
いい曲がたくさんあります。

ただし詩は私の好みではないものがこれまたたくさんあります。

十分調べたわけではありませんが、
詩は吉田拓郎自身の他、岡本おさみ、松本隆のものが多いようです。

岡本おさみの詩には次のようなものがあります。

  • 襟裳岬
  • 旅の宿
  • ビートルズが教えてくれた
  • 落葉
  • 祭りの後
  • おきざりにした悲しみは

松本隆には次のような詩があります。

  • 外は白い雪の夜
  • 無題(「18時開演」に収録)
  • ああ青春

吉田拓郎の詩には次のようなものがあります。

  • 今日までそして明日から
  • どうしてこんなに悲しいんだろう
  • 我がよき友よ
  • 元気です
  • イメージの詩

岡本おさみの詩は良し悪しは別にして重く何度も聞くにはつらいものがあります。
若いときならいいのでしょうが、
人生も終盤になると「もういいよ」といいたくなります。

松本隆はヒットメーカーらしいですが、演歌のような思わせぶりな詩は好きではありません。
たとえば、先の「無題」の未練っぽい詩は心情としては理解できますが、
歌うなぞ身震いします(とてもいい曲なのに)。

好き嫌いでいえば吉田拓郎自身の詩が好きかも知れません。
ただし、いくつかの詩はいったいなにを言っているのかわかりません。

たとえば、「唇をかみしめて」は雰囲気としてはわかるけれど私には何を言っているのかわかりません。
また[明日に向かって走れ]では、「ノアの箱舟が笑ってきえた」とは何なのでしょうか。

ケチはつけますが、吉田拓郎の歌は結局良く聞いています。
アニメの主題歌のようですが、YouTubeで聞いた[純]は感動ものです。

歳をとると人生いろいろあったけれどハッピーがいいです。

ポピュラーの中で私が一番好きな曲は、ビリーボーンの「波路はるかに」です。
夏になるといつも車の窓を開けて風を受けながら、
大きな音で飽きるまで聞いています。

若いころ、若者らしい悩みを抱えていたころ、
この曲はどれだけ救いになったことでしょうか。

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