首相の靖国参拝

1月24日付け朝日新聞の一面に、「靖国参拝 中国が批判網」という見出しが載っています。
各国駐在の中国大使が、
地元の有力紙に安倍首相の靖国参拝を批判する記事を投稿しているということです。

首相の靖国参拝には、既にアメリカはじめヨーロッパの数カ国が批判的論評を出しています。

日本はこれにどう対処するか。

もっともいけないのは、「アメリカやロシアやEUが批判しているから」、
首相か靖国参拝をやめるべきだという日本のマスメディアや知識人の論調です。

「外国に批判されるからやめるべきだ」は、自分の判断を放棄していることを意味します。
外国に批判されるのはよくないが、
その帰結が日本が自分の行動を放棄し謝罪することではない。
批判されないように、自説を展開することそが大切なことです。

 

私達(私)は、先の大戦および靖国について余りにも不勉強であったと思います。
その原因は学校教育であり、マスメディアの論調です(大元はGHQの方針でしょう)。
「戦前の日本はとにかく悪いことをしたのだから、ただただ頭を下げて、
申し訳ありませんといわなければいけない」という教えです。

大多数の日本人は、ただ畏まって、「それに疑問を持つことさえ罪だ」くらいに思ってきましたから、
自分自身で初めから日本の現代史を勉強しようなど思う一般人は皆無といってもいいくらいです。

しかし、最近は特に韓国や中国の反日に対して、「なにかおかしい」と思うようになり、
インターネットで同じ想いの人を確認できるようのなりました。
まだ少数かもしれませんが、日本の現代史を勉強しようという人は増えていると思います。

大正・昭和の日本および日本を取り巻く世界の歴史について、
私自身は、いまだ不勉強で自分の判断を持つにいたっていません。

 

しかし、それとは別に「外国に批判されるから謝る」論は絶対にやめなければいけません。

なぜなら、外国の批判が決して公平で正当ではないからです。

中国でいえば、チベットや周辺国への侵攻があり、
言論の自由がない国です。
それらを棚に上げて、70年以上前の不確実なあるいは議論の余地のある事柄を、
自分に都合よく解釈して日本を批判しているのです。

韓国は語る価値さえないと思います。
自分達の無能や蛮行を棚にあげ、いつの間にか戦勝国気取りです。

アメリカにしてもどれだけ自分達の行動が正しいのか。
過去には、インディアンへの迫害、アフリカ奴隷の扱い、フィリッピン等の植民地。
日本への原爆投下。
近年ではブッシュのイスラム社会への挑発、アルカイダの反発と9.11、イラク戦争。
オバマの中国への擦り寄り。
これらアメリカの行動が「正義の味方」だとは思えない。

最近のケネディ大使による、イルカ漁反対の意見。
「人道的見地から」は確かにその通りで、
そのことに反対する人はいないでしょう。

しかし、人類は多くの命と引き換えに生きてきたのです。
牛を殺すのも豚を殺すのも、鳥や魚を殺すのも酷い行為です。
そもそも人類は酷い行為をしながら地球を支配してきたのであって、
そのことにホウカブリして、ある人間がある人間を「非人道的」と非難するのは、
なんと幼稚な自己チュウというほかありません。

カウボーイの国アメリカでは、一切肉を食べないとでも言うのでしょうか。

それに「かわいそうだから、私は一切肉は食べません」と個人的にいうなら、
「そういう生き方もあるでしょう」とある意味尊敬しますが、
自分は牛肉や七面鳥のご馳走を食べながら、
世界で最も影響力をもつ国が、「人道的にイルカ漁反対」は、
どのようなロジック(マジック?)を持って主張するのでしょうか。

また、日本の捕鯨を批判するオーストラリアは牛肉の大輸出国です。
「牛は殺してもいい。鯨はいけない」のロジックは私には理解できない。

ヨーロッパに目を転じれば、
過去の栄光に浸っていた国々、特にイギリス人からすれば大英帝国の夢を破った、
大日本帝国への潜在意識での嫌悪感。

ロシアは北方領土侵略やシベリア抑留を持ち出すまでもなく、
ロシアが正義の国だなど信じるほうがお馬鹿すぎます。
現在も、チェチェンへの武力弾圧や国内人権侵害等他国を批判する立場ではありません。
また、どう見ても不当なシリア現政権を支援しています。

靖国問題ではいえば、当初ロシアは日本を批判していましたが、
プーチンが安倍首相と会談することになれば、態度を変えます。

 

国際社会では、どの国の行動もご都合主義であり、矛盾だらけです。

これが国際政治というもので、お人よしの国などあるはずがありません。
そのことを最初に念頭におくべきです。
その上で、できれば利害がぶつからないように、
自分なりの正義のもとに行動するということが重要です。

 

中国・韓国のプロパガンダは明らかに悪意に満ちています。
それに対して、「今日本を叩くのは、自国にとって都合がいい」と考える国・人、
あるいは軽薄にもその政治宣伝に載せられる国・人、
あるいは、人種差別の延長として「日本人たたき」に加担する国・人がいるかもしれない。

それをまた、日本のマスコミや知識人が「そのとおりです。申し訳ありません」というのを聞くと、
「なにを考えているのか」と思います。

中国や韓国は、
「首相の靖国参拝は戦前の軍国主義の肯定であり、
再び昔に返ろうとしている」といいます。

目が点になるとはこのことです。
一体全体日本人に戦前の軍国主義を待望する人間がいるのでしょうか。
ありえない話です。

中国・韓国の靖国批判は的はずれで、
あきらかに彼らの日本批判は、
ヘゲモニー(政治的主導権)を握ろうとするプロパガンダです。

私達は、この見え透いたプロパガンダに、ハッキリと反撃しなければいけません。
その実践は「いうは易く、行うは難し」です。
日本人は苦手です。
十分に研究し、効力ある手段を講じなければいけません。

 

一方で、やはり私達自身が現代史を勉強しなければいけません。

大東亜戦争への道は軍部の独断だったのだろうか。
西欧特にアメリカの日本への圧力は、日本の大陸侵攻を正当化できるのだろうか。
日本軍による周辺国の被害はどれほどだったのだろうか。
アメリカの原爆投下を正当化できるのだろうか。
東京裁判は正当だろうか。
A級戦犯の意味と彼らの靖国合祀は正しいのだろうか。
BHQの功罪と今後の日本のありかたは、どうすればよいのだろうか。等々。

私はこの一年間、韓国について40冊以上の本を読みましたが、
これからの作業では恐らくそれ以上の、
内容のある本を読まなければいけないでしょう。

また、この勉強は一人では限界があるし、独りで納得するようなものではありません。
より多くの人々、特に人生経験豊富で時間もあるリタイアした人々が積極的に勉強し、
特に今はインターネットという便利な道具がありますから、
みんなで議論を戦わせ、その過程から私達の日本論を構築し、
誇り高いしかも世界から信頼される国をつくるために尽力しなければいけません。

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