月別アーカイブ: 2012年04月

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拡大写本ボランティア

東北大震災の後でなにか私にできるボランティアはないかと思っていたのですが、
東北まで出かけて行って、
「逆に皆さんの足手まといになってはいけないし」
と躊躇していましたが、
地元に拡大写本サークルというのがあるのを知りましたので覗いてみました。

目の悪い(弱視?)子供のために、教科書を拡大するのです。
ただ拡大すればいいという訳ではなく、
結局図も含めて全面的にレイアウトのやり替えになります。

文字は30ポイントにします。
画像や図表に書かれた文字も大きくする必要がありますので、
図も作り直したり、説明の文章も配置換えになります。

もう随分長い間ボランティアの人たちがこの作業をしているようです。
最初は手書きの教科書を作っていたそうですが、
今はコンピュータでの作業です。

現在は文部省を介して、教科書会社が健常者用の教科書をPDFファイルにして提供してくれます。
ファイルはAcrobat Readerで開けば、
文字(文章)はテキストとして抽出できますし、
画像もJPGで抽出できます。

レイアウトは全面見直しですからこれは一仕事ですが、
画像も問題です。

弱視の人は図が重なると見にくいので、
重なった図を切り離さなければいけませんし、
図に書かれた文字も削除し、
大きく書き直さなければいけません。

これをラスター単一層のJPGの世界で処理するのはぞっとする作業です。

みなさん長年この作業をしてきたようです。

私は教科書PDFを色々調べてみました。
最初は「PhotoShopに読ませればレイヤー操作ができるのではないか」と期待したのですが、
手持ちのPhotoShop CS3では全て単一のレイヤーに書き込まれます。

結局Acrobatで開けば、すべての文字や画像が[層]で管理されていることが分かり、
したがって、簡単に文字を削除したり、画像の重複を解除することができるのが分かりました。
今回に限っていえば、画像編集はPhotoShopでJPGを修正するより、
AcrobatでPDFを編集する方が圧倒的に効率的です。

書籍は最終的にはInDesignで編集するのでしょうから、
もしかしたらInDesignの最新版であれば、
もっとうまくいくかと思い試用版を使ってみましたがうまくいきませんでした。

 

さて次の問題です。

ボランティアがAcrobatを購入するのは、財政的に難しいことです。

Adobe社と交渉しました。
Adobeのソフトは高価でアマテュアにはなかなか買えませんが、
教育用価格の設定がありますので、
なんらかの社会貢献のプログラムがあるのではないかと期待したからです。

すばらしいプログラムがありました。

テックスープというプログラムがあって、
色々なNPOに対してマイクロソフトやアドビがここを窓口としてソフトを寄贈してます。

Acrobatはおよそ3千5百円の手数料で入手できます。
Windows 7 など500円足らずです。

ただし審査があるので、このプログラムを利用するには今少し時間がかかりそうです。

 

次の問題は、ボランティアの皆さんが長い間やってきた方法を躊躇なく変更するのかどうかです。

こういう問題は意外にやっかいで、
私としては「ケ・セラ・セラ」といったところです。

コーちゃんの成長

約半年ぶりに会ったコーちゃんは、
勿論顔つきも体格も少し少年らしくなりましたが、
精神面でも成長していました。

半年前にはちょろちょろして先生のいうことを聞かないので、
幼稚園から一時登園禁止を受けたのですが、
入園式ではとても落ち着いていました。

弟が生まれて母親が下の子の世話をするので、
幼児返りやすねたりする行動があるのかと思いましたが、
弟思いのいいお兄ちゃんでした。

小さいとき我が家で遊ばせるために、
重ねて遊ぶプラスティックのコップを買って置いていました。
妻が弟にも同じものを買って送ってやったところ、
コーちゃんはそれは「自分のものだ」と喧嘩するというので、
今回我が家においていたコーちゃんのコップを持っていきました。

大小10個くらいのコップで、
コップを裏返しにしてピラミッドのように積み重ねます。
我が家で遊んでいたときは、
彼にはコップの大小の意味がわからなくて、
順番にピラミッドのように積み上げることができません。
私が積んでやるとパンチで壊してはよろこんでいました。

今回はコップの大小と「積み上げる」ことを理解しているようです。
以前は作ったピラミッドを壊してはよろこんでいただけでしたが、
今度はこれを料理のお皿にみたてて、
お寿司屋さんをやったり、
ラーメン屋さんをやったりして遊びました。

想像しながら「〇〇屋」さんをするのは、子供の重要な精神的成長だと思います。

あちこち移動の途中で車の後ろの座席で妻がコーちゃんの相手をしていました。
妻と色々な童謡を歌ったり、折り紙をしたり、絵を描いたりしていました。
妻が知らない歌も歌ってみせました。

折り紙や絵はぐちゃぐちゃですし、歌も何と歌っているのか分かりませんが、
集中してなにかができれば十分だと思います。

会話はほとんと問題なくできます。

一人称は以前は自分の名前で言っていたのですが、
「僕」というようになりました。

内容は忘れましたが、論理展開ができるようになり、
自分の主張の理由づけをします。

担任の先生が「辞めた」と話ました(そしてそれは事実でした)。
「人が辞める」とは時間空間についての相当高度な認識が必要なのではないでしょうか。
小さい子供は「人が辞める」ということをどのように認識しているのか、
不思議な感じがしました。

「左」「右」はいうのですが、間違っています。
数および数字は多分10くらいまでは理解していると思います。

幼稚園の方針らしいのですが、外国人がきて英語を教えているようです。
英語といっても英単語ですが(How are you? くらいはいえるかもしれません)、
単語だけでもこれはいいことだと思います。
小さいとき親しんでいれば、大きくなって抵抗がなくなっていると思います。

この半年で幼稚園ではたくさんのことを学んでいます。
それに友達ができて落ち着いてきたのがなによりよかったと思います。

それにしても子供はこの時期相当な精神的成長をしているようです。
自分を「僕」という普通名詞で呼ぶようになったり論理展開をするには、
個別の名称や個別の事象から、
それらを一般化・抽象化して整理し、話をするという高度な精神構造の発達があると思います。

 

彼が成長して我が家に一人で来るようになるのを心待ちにしています。
彼が望めば色々なことを経験させ、
沢山のことを教えてやりたいと思います。

 

行きはまだ2分から3分咲きだった東名の桜は、
帰りには満開のようでした。

この小旅行の初めと終わりには、
4合目かもしかして5合目あたりまで雪をかぶって、
まぶしく輝く富士山が見送ってくれました。

入園式

コーちゃんは今年4月幼稚園の年少組に正式に入園しました。

妻が「入園式にいきたい」と希望しましたので、
入園式に爺さん・ばあさんがいくのはどうかと思いましたが、
妻も実家の病院での雑用や母親の介護から気分転換したいのだろうと、
入園式にかこつけて2泊3日で車ででかけました。

羽田で妻をピックアップして孫に会いに行き、また羽田まで送っていく慌ただしい旅です。

今回は妻が入園のお祝いに買ってやった自転車の練習をさせようと思っていたのですが、
当日は風が強くまたコーちゃんも風邪気味だったので、
外で遊ぶことをあきらめました。

初日は観光イチゴ園に行きました。
2歳になったばかりのとき、
観光農園ではなかったのですが、
近くのイチゴ農家で特別に露地栽培の大きなイチゴを、
一つもいでもらって食べたことをよく覚えているみたいで、
「印象深かったのだろう」と、今度もまたイチゴ農園につれていきました。

二日目は入園式を終えて、映画を観にいきました。
「長靴をはいた猫」を観ましたが私には面白くもなんともありません。
コーちゃんも退屈だったらしく、
前の椅子(勿論空いています)に移ったり、
ゴソゴソしていました。

3日目は私たちが帰る都合で時間がなかったのですが、
2歳のとき遊園地で電動バイクをうまく乗りこなしましたので、
今度もまた遊園地に行ってバイクに乗せてやりました。

バイクのようにハンドルが車輪に直結している車は運転できるのですが、
車の丸いハンドルは扱いがわからず、
その場でグルグル回って他の車にぶつかり、
それはそれでキャーキャー喜んでいました。

帰りがけ売店で売っていた花(ムスカリ)がほしいというので買ってやりました。
彼が我が家の近くに住んでいたとき、
いつも我が家のベランダの花に水をやっていたのを思い出したのでしょう。
枯らさず水やりをするか見ものです。

登園停止

孫のコーちゃんは去年8月弟が生まれたのでお兄ちゃんになり,
この4月には3歳8ヶ月になりました。

彼らが昨年3月に遠くに引っ越してから、私は昨年3回会いに行きました。

最初は6月にランニングバイクを届けにいき、
そのことはこのブログで書きました。

8月にコーちゃんに弟が生まれましたので、
お見舞いとコーちゃんの相手をするために、
妻と2泊3日で2度目の訪問をしました。

コーちゃんは4月には幼稚園に入る予定でしたが、
引っ越したり母親の出産があったりしたので入園が遅れ、確か10月ころ入園したと聞きました。

その後コーちゃんが幼稚園でみんなと仲良く過ごしているか気にかけていましたら、
幼稚園から「しばらくの間登園禁止」になったと知らせがありました。

「乱暴で他の子供から嫌われている」
「勝手な行動をして、他の子供の指導の邪魔になる」とのこと。

幼稚園の指摘は私たちには思い当たります。
コーちゃんはゴレンジャーに夢中で、
私たちは内心大反対だったのですが、
息子夫婦はコーちゃんがゴレンジャーのマネをしてミエを切るのを囃し立てていたのです。

私たちが孫のことについてあれこれいうと、
息子夫婦は反発することが多いのですが、
今度ばかりはこたえたようです。

「コーちゃんが悪いわけではないのに、親のしつけが悪いからだ」
コーちゃんがとてもかわいそうで3度目の訪問となりました。

コーちゃんは元気な子ですが、
性格的に乱暴ではないのです。
ゴレンジャーのマネをするのはいいのですが、
手加減がわからないので、手加減なしに相手をぶったり、蹴飛ばしたりします。
彼は自分では「正義の味方」なのです。

幼稚園の先生にもお会いし、
色々お話をしました。

私たちが考えていた通りで、
いけないことを「いけない」といって聞かせなければいけません。

その後息子夫婦もコーちゃんをゴレンジャーから遠ざけて、
「乱暴はいけないよ」と教えたみたいです。

今年3月母親と電話で話した時、
幼稚園の保護者会で、
「コーちゃんは泣いている子がいると『どうしたの』と慰める優しい子です」
と先生からいわれましたと喜んでいました。

コーちゃんは勉強については、まだどうなのかわかりませんが、
なにごとも積極的で運動神経抜群なのは間違いないことです。

喧嘩をしても多分強いのでしょうし正義感の強い優しい子だから、
私は「コーちゃんはすばらしい少年になる」と信じています
(爺馬鹿の予想があたるでしょうか)。

ちあきなおみ

カラオケに行ったら、
細川たかしのようにかっこよく「矢切の渡し」を歌ってみたいとYouTubeを探していたら、
ちあきなおみに行きつきました。

ちあきなおみの「矢切の渡し」をきいて驚きました。
「細川たかしどころではない」
「なんと素晴らしいのだ」と。
親の反対を押して駆け落ちする若い男女の姿が目に浮かびます。
特に不安を抱いて故郷をすてる女の心情は泣けてきます。

それ以来すっかりちあきなおみの世界にはまりました。

昔ちあきなおみといえば、「四つのお願い」とか「喝采」とかいかにも思わせぶりの唄で、
私の趣味にあいませんでした。
商業主義の匂いが強く胡散臭さを感じていましたが、
今色々きいてみると本当はとてもとても上手な歌手だとわかりました。

売り出しの若い歌手が周りの商売人たちに抗うことができなかったのでしょう。

美空ひばりの芝居がかった唄が嫌いな人からすると、
断然ちあきなおみがいいです。

古い唄を流して歌っているものは、
いまひとつ納得できませんが、
矢切の渡し」、「紅い花」、「かもめの街」、「居酒屋」、「さとうきび畑」等
どれも情景が目に映ります。

上の歌のタイトルをクリックするとYouTubeに飛びます。

丁寧でしかも情感たっぷりの唄です。

「居酒屋」は春日八郎が唄った男の歌で、
春日八郎の唄声をうっすら覚えていますが、むしろちあきなおみの方がしみじみします。

「さとうきび畑」は、沖縄戦で父親が殺された子供の悲しさが伝わってきます。
森山良子の押しつけがましい歌い方よりずっといいと思います。

考えてみればこれらの唄はどれも、
心の底のぬぐいきれない悲しさをこらえて、自分を励ましているようです。

こういう唄はちあきなおみは抜群の表現をします。
並ぶものはいないでしょう。

ところでYouTubeは突然映像が削除されます。
TVの画像をそのまま流したりするものがそのようです。

恐らく著作権のクレームがくるのでしょう。
それはそれでしょうがないのでしょうが、
動画で歌手の表情が見れなくなるのは残念です。

なんとか解決してもらって、やはり動画で見たいものです。

ちあきなおみの例でも、「矢切の渡し」、「紅い花」、「かもめの街」等の動画のアップが削除されています。
これらはいずれも数10万回以上のアクセスがあったと思います。
残念です。